こんにちは。アローデンタルクリニック院長の澤田です。

　昨年の9月、患者として通院していたAちゃんが治療最後の日のお会計も終わってから「先生に渡したい物がある」と言って私を呼んでいました。何だろうと思って行ってみると「これ、学校で育てた朝顔のタネ。あげる」と、クッキーモンスターのついた袋に入ったタネをくれました。

　普通なら来院日以外に歯医者のことなんて考えたくないだろうに、クリニックの外で私のことを思い出して準備してくれたことがとても嬉しかった。もしかしたらずっとチャンスを伺っていて最後の最後でようやく「渡したい物がある」と言えたのかもしれない。「ありがとう！来年の春に植えるからね！」とお礼を言い、Aちゃんはにこやかに帰って行った。

　そして待つこと8ヶ月。5月に真夏日を記録した日もありつつようやく安定して暖かくなってきた今日この頃。そろそろ良い気温になったと判断し、種まきをすることにした。

　鉢も土もないのでまずは種まきの準備から。私は思い立ったらすぐに動きたいので、種まきしようと決めた日の診療終了後に閉店間際のホーマックへ。鉢は観葉植物が枯れてしまって鉢だけ残しているものがあったのでそれを使うのと、新しくプランターを買うことにした。それから鉢の底に敷く石とツルが伸びた時に巻き付く支柱。これは丸鉢用しか見つけられなかったのでプランターのは後日買いに行こう。そしてメインの土。草花用、観葉植物用、室内用（土のにおいが少ない）、野菜用など色々ある。迷う。閉店間際なので店員さんも少ないし声をかけた人が植物に詳しいとも限らない。「これか？いや、こっちか？」と悩んでいたら閉店を知らせる音楽が鳴り出した。

「よし、じゃあこれで！」

・・・決め手は「軽い」こと。

25Lの土を持とうとしたら案の定重くて、既にプランター・敷石・支柱を持っていた私はさんざん悩んだ挙句「自分が持てるもの」を判断基準に土を選んでしまった。まぁ大丈夫でしょう。

　翌朝。

　いつもより早起きして出勤した。朝顔はクリニックのベランダで育てる。これまで特に活躍の場もなかったベランダで、せっせと鉢とプランターに石を敷いて土を入れる。朝顔のタネのまき方を調べてみると、朝顔のタネは皮が硬いので「芽切り」という処理をした方が芽が出やすいらしい。そして土に植える時も向きや角度によって発芽しやすい状態になる。言われてみるとその通りなのだがこれまで気にしたことがなかった。

　一応調べた通りに芽切りし、向き・角度も納得がいくまで置き直して土をかぶせ、種まき終了。これでたっぷり水をやる・・・あ、霧吹きはあるけどジョウロはないな。

ペットボトルに穴を開けてジョウロっぽくするか、など考えつつもとりあえず今はいいやと思い、たらいに水を入れ、縁の水切りスリットから水をやることにした。

・・・ダバダバダバダバ！

できればジョウロで優しい雨を降らせるように水をやりたかったのに、蒔いたばかりの種に滝を打ってしまった。

幸いコントロール不能なことにすぐに気づいたのでタネがむき出しになることはなかったが、危なかった…フゥ。

そんなこんなで種まきは無事に終わり、鉢とプランターはベランダに設置している。

今年の夏は朝顔の成長を見る楽しみができた。

花が咲く頃にAちゃんが見に来てくれるといいな。